プロジェクトマネジメントで克つ より

アメリカズカップに取り組む過程で、著者が意識したマネジメントが紹介されている。話もおもしろいが、考え方がためになりました。

創発パターン [pp.33]

しっかりした組織は、三つのパターンをうまく組み合わせる。

  • ランダム試行型 (大学の卒業論文によくある)
  • ビジョン駆動型 (博士論文は、このような要素も含み、独創性あり)
  • 合理的計算型 (修士論文

技術開発の四つの段階 R&3D [pp.77]

  • 研究(Research)
  • 開発(Development)
  • 実証(Demonstration)
  • 普及(Dissemination)

実証で終わった例)高速増殖炉もんじゅ
普及に失敗した例)ビデオのβ方式

デザインのキーワード

デザインはコンセプトを具現化していく、論理と経験と直感が必要な仕事。

  • Synthesis 総合化
  • Compromise 妥協 (Made without compromise. 早い段階ではなく、可能性を充分広げてからの妥協。)
  • Trade-off 正しい選択 (AかBかを選ぶ岐路が何度もある)
  • Priority 優先順位 (進展とともに変換する第一優先順位を守り、リソースを配分)
  • Spiral 循環、連鎖

ミーティング

  • 議論をして意思決定するためのもの
  • 議論をして相互啓発するためのもの
  • 相互理解を深め目標に対する共感を高めるめのもの

プロジェクト

その他 気になったキーワード

  • スカンクワークス型
    • モチベーションも能力も体力も接近していて、全員の能力が高く、すべての面で共有部分が多く、迅速な意思決定ができる。 (強いサッカーチームなど)
  • 非常識を常識に変える。
  • 成功確率と後悔率
  • Good at everything, best at a few
  • ポジティブスパイラル
  • ネガティブスパイラル
  • 健全な企業の研究開発費の割合は、売上高の5%といわれる。3%でもなんとかなるかもしれないが、1%だと不健全な状態に。
    • 10兆円の売り上げ規模が期待できる飛行機の為の研究開発費は5000億円
    • 5000億円の販売が期待できる新車の開発には、250億円の開発費が必要。


プロジェクトマネジメントで克つ! 東京大学工学系教授 宮田秀明より